憧れの女@忘れられない女

僕が彼女と知り合ったのは、詩や小説を書く学校でした。
大きな瞳が印象的で、笑顔がステキな、誰からも愛される女性でした。

飽きっぽい性格の僕は、習い事など続いたことがありません。
それでも、学校に通い続けたのは、彼女に会いたかったからでしょう。

遠くから彼女の明るい声が聞こえてくるだけで、僕の胸は高鳴りました。
でも、彼女に話しかけられると、僕は素っ気ない態度をとってしまいます。
なぜなら、恥ずかしくて、顔が真っ赤になるのを抑えるのに必死だったからです。

彼女が隣の席に座ろうものなら、僕は手に持っているペンを置いて、考え事をしてるふりをしたり、狸寝入りを決めこんでいました。彼女がそばにいるだけで、手が震えて、何もできなくなるからです。

こんな僕に、彼女は、私のこと嫌いでしょ? とよく質問しました。
僕は、そんなことないですよ と素っ気ない返事をしていました。

でも、彼女だって、僕のタイミングで話しかけると、素っ気ない態度で、多くは話してくれませんでした。僕以外の人とは楽しそうに話しているのに。

みんなと楽しそうに話している彼女を遠くから見ながら、僕は彼女ともっと話したいなぁ、仲良くなりたいなぁと思っていました。

そのときの僕は、彼女と恋に落ちることになるとは夢にも思いませんでした。なぜなら彼女は……。