はじめに

愛とは幻想なのでしょうか? 僕には忘れられない女(ひと)がいます。僕が生まれて初めて、心の底から愛した女性です。彼女の愛くるしい笑顔と、悲しそうな表情が心から離れません。彼女とは魂で触れ合うことができました。彼女は僕のことを理解し、僕の凍りついた心を溶かしてくれて、僕に多くのものを残してくれました。彼女とは両思いだったにも関わらず、複雑に関係がもつれて、結ばれることはありませんでした。正確には、彼女は僕を選んでくれたけど、僕は理由(わけ)あって、彼女を選ぶことができませんでした。僕は彼女への想いを伝えることすら、できませんでした。彼女と別れたあの日から、ぼくの心は彷徨を始めました。行き場を失った愛は未だに僕の心に居座りつづけて、僕を苦しめつづけます。30歳を目の前にして、彼女への想いを封印し、新しい自分に生まれ変わるために、この想いと思い出を形にしたいと思いました。今まで心に大切に仕舞っていた彼女への想いを、どんな形になるかわかりません(エッセイ? 詩? 小説?)が、このブログで綴っていこうと思います。