「インストール」綿矢りさ

たまには、こんな感じの作品も読む。
前々から、気になっていた作品だ。
正直、芥川賞を受賞した「蹴りたい背中」を読んだときは、何も感じなかった。
平井和正大藪春彦に侵された(犯された?)僕の感性が狂っているのか、芥川賞がただの新人の登竜門に成り下がってしまったのかと、思った。
「インストール」は絶賛はしないけれど、普通に面白く読めた。
魂を揺さぶる感動や、目から鱗という体験はできなかったけれど、高校生の内緒話を聞くような、ライトな感覚で読めた。
上手に書けているなぁという感想と共に、17歳では、こんなものかなぁという限界も感じた。
綿矢りさはかわいい。
でも、作品の評価には全く関係ない(いや、少しは関係あるかも)。注目はされるだろうけど・・・。
つまらない小説だったら、最後まで読めないだろう。
かわいさ以上に、10代で小説という表現手段を身につけた彼女は貴重な存在だと思う。
我々読者は10代の感性と触れ合うことができるのだから。
でも、あれが普通の10代の感性なのか、という疑問もある。
やっぱり彼女のオリジナルな感性かもしれない。
10代の読者がいたら、共感するのかどうか聞いてみたい。
綿矢りさが新作を書いたら、買うかどうかは分からないけれど、手にとって、パラパラはするだろう。
褒めてるのか、けなしてるのか分からない文章になってしまったが、気になる作家であることには変わりない。
やっぱり、カワイイからか??