告白@忘れられない女

彼女と一緒に映画を観る日がやってきた。

仕事の都合で、彼女は約束の時間に遅れて、やってきた。

久しぶりに会った彼女は、やっぱりキレイだった。
光り輝いて、とてもキレイだった。
仕事のストレスで少しぽっちゃりしたことを気にしていたけれど、それでもキレイだった。

僕は全然、気にしなかったけれど、彼女は約束の時間に遅れてたことを気にして、何度も謝っていた。
その日の彼女はオドオドして、様子がおかしかった。

ネオンの街並みを歩きながら、僕は彼女の視線を感じた。

キミはワタシを緊張させるのが上手ね。

彼女は言った。

僕は何も言えなかった。

僕も緊張していることを彼女は知らない。

映画を観終わったのは、それほど遅くない時間だった。
茶店でお茶でもするのと思っていたら、彼女は用事があるから帰ると言った。

僕は最後に、今まで不思議に思っていたことを彼女に訊いた。

あなたは本当に結婚しているの?

彼女は結婚しているはずなのに、結婚している人の匂いがしなかったから。

彼女は今にも泣きそうな顔で答えた。

キミは鋭いなぁ。
別れたいけれど、別れさせてくれないの……。

その言葉を聞いたとき、僕の胸はドキドキした。