第二次・大藪春彦先生ブーム

最近、また大藪春彦先生の作品を固め読みしています。
初めて、大藪春彦先生の作品を読んだのは、2年半前かな??
平井和正先生が大藪春彦先生のファンということで、昔から気になっていたけれど、なかなか読むキッカケがない作家さんでした。
2年半前に病気で超暇なときに出逢ったのが「伊達邦彦シリーズ」です。
「伊達邦彦」
この名前を聞くだけで、痺れますよ~。
伊達邦彦を知らない人にはどう説明すればいいかなあ。
「007」のジェイムス・ボンドを日本版にして、ダーティーにした感じかなあ。
野獣死すべし」から始まって、「野獣は死なず」?「甦る野獣」??まで夢中で読みました。
その後も、長編をたくさん読みました。
でも、大藪春彦先生は亡くなられています。
新作が出版されることはありません(涙)
大藪作品は軽く100作を超えているのですが、あまりにも大好きな作家さんなので、一気に全部読んでしまうのが、もったいなくって、しばらく読むのを我慢してました。
大好きな「西城秀夫のシリーズ」は途中で読むのを止めました。もったいないから。
大藪文学の金字塔と呼ばれている「汚れた英雄」も、もったいなくて読むのを我慢してます。
大長編「アスファルトの虎」も大切に保管してます。
ところが、最近は極貧で新しく本を買う余裕がないので、未読の大藪作品を再び読み始めたという次第です。
最近読みふけっているのは短編集です。
初期の短編集には後の大藪ヒーローの原型となるものや、長編では読めない負け犬ものなど、意外な名作がゴロゴロしています。
やっぱり、大藪春彦先生は最高です!

ところで、大藪ヒーローは人を殺しまくるけれど、全然、泥臭くないんですよね。
本人に罪悪感がないからかな??
大藪先生のスタイリッシュな文章のせいかな??
とても、メルヘンチックなんですよね。
僕はこの大藪先生の世界観と文章が大好きなんですよね~。
僕が小説を書くなら、この大藪作品にオカルトの要素を加えた作品を書きたいんです!

それにしても、初期の荒々しさが残る大藪作品を読んで感じたのは、大藪春彦先生にとって、書くことは暴力衝動の吐け口だったのかなあということです。
きっかけは何であれ、最後は敵が全滅するか、主人公が身を滅ぼすまで戦い続けるんですよね。
大藪春彦先生の心の奥底には暴力衝動のとてつもないマグマが沸き続けていたのでしょう。

大藪春彦。僕が尊敬する偉大な作家の一人です。