「NHKへようこそ」滝本竜彦・著

久しぶりの読書日記です。
先日、前々から読みたかった山本周五郎先生の「正雪記」を購入しました。
「正雪記」は長期戦になりそうなので、軽く読めるものをと思い、ついでに購入したのが「NHKへようこそ」です。

☆あらすじ
「俺はきづいてしまった。俺が大学を中退したのも、無職なのも、今話題のひきこもりなのも、すべて悪の組織NHKの仕業なのだということを!……だからといって事態がかわるわけでもなく、ずるずるとひきこもる俺の前に現れた清楚な美少女、岬ちゃん。「あなたは私のプロジェクトに大抜擢されました」って、なにそれ?エロスとバイオレンスとドラッグに汚染された俺たちの未来を救うのは愛か勇気か、それとも友情か?驚愕のノンストップひきこもりアクション小説ここに誕生」と本の裏に書かれています。

NHKってなんだろうって、興味を惹かれるネーミングセンスは素晴らしいですね。
ひとことで言えば、ひきこもり・妄想・青春小説って感じかな。
僕も体を壊して、社会からドロップアウトして、半分ひきこもりみたいなものだから、半分共感しながら、面白く読めましたよ。
これを読めば、現代社会が抱えた病巣のひとつ、「ひきこもり」が、なんとなく分かるんじゃないかな。
将来、ひきこもりの人たちのバイブルになる可能性を秘めた小説。といえば、ちと褒めすぎか。
まあ、文庫本なら、買って、損した気分にはならなかったです。
それから、普通に生きてる人には分からないかもしれないけれど、社会の底辺でくすぶってる人たちには勇気を与える本だと思いますよ。

現在、作者は小説が書けなくなって、ニート状態だそうです。
頑張れ、滝本竜彦っていう意味も込めて、この本を紹介してみました。