「幻魔大戦deep2~4」平井和正著

全8巻の、もう半分を読み終わったことになる。
毎週、火曜日の配信が待ち遠しい。

思い返せば、「幻魔大戦」(角川版)は、宗教に対する免疫をつける抗体だったように思う。読むものによっては、毒にも薬にもなる劇薬だった。宗教否定小説にも関わらず、不幸にも新興宗教ブームの油に火を注ぐ状態になったような気がする。

「真幻魔大戦」(徳間版)は自覚を促す小説だったか。個人個人が宗教などに頼らず、自覚を持って、生きる世界こそ、真に救われる世界なのだと僕は解釈している。生きることの素晴らしさを高らかに謳いあげた、平井氏の最高傑作だと個人的には思っている。

さて、「幻魔大戦deep」のお話。
う~ん。まだ半分しか読んでいないので、評価はしにくいけれど、やはり現代社会へ警鐘を鳴らす作品であることには違いないと思う。テーマは家族か。家族を守れない者が世界を救えるか~!ってな感じかな?? こじんまりしている印象はあるけれど、先を読むのが楽しみだ。全盛期のような、情念やリアリティーは薄れているけれど、近年の平井氏の特徴である夢見の感覚と切なさが顕著に現れている。