倉橋由美子さんの思い出

昨日(一昨日?)、パソコンを開いて、ヤフーのトップページを見ると、倉橋由美子さんが亡くなったいう記事があった。
倉橋さんにはちょいとばかり思い出がある。
僕は体調を崩して、仕事を辞めるまで、京都の観光地の日本料理屋さんで接客をしていた。
京都の観光地ということもあり、日本中、世界中からお客さんがやってきて、有名人やたくさんの面白いお客さんと接っすることができた。
その中でも特に印象深いお客さんがいる。
おじさん二人とおばさん一人の三人組で、見るからに一癖も二癖もありそうな感じだった。
面白そうな人たちだったから、話しかけてみた。
東京から観光に来たお客さんだった。一人は大学の教授で、もう一人は姓名判断師だと名乗った。
僕が作家になれるか診てくださいとお願いすると、リーダー格の大学の教授のおじさんが、倉橋由美子さんと宮尾登美子さんとお友達だと言い出した。
そして、君を彼女に紹介しようかなぁと考え出した。
著名な作家と出会って、才能が開花することもあるそうだ。
う~ん、う~んと悩みながら、君の名前を本屋さんで見ることを期待していると言って、帰っていった。
翌年もお店に来てくれて、バイトの女の子に、眼鏡をかけた作家志望の男の子は元気にしているかと訊いてくれていたそうだ。
あのおじさんたちは元気にしているのだろうか?
それ以来、倉橋由美子さんは僕にとって、なんとなく親近感のある作家になってしまった(作品はまだ読んだことがないんです。ごめんなさい)。
古本屋さんで「パルタイ」?と「スミヤキストQの冒険」を買った覚えがある。部屋のどこかにあるだろう(古本屋さんで面白そうな本があったら買うのはいいのだが、読まないのは僕の悪い癖だ。面白そうだけれど、未読の本がダンボール箱と紙袋に入って、押入れをどんどん占拠していく)。いつか、機会があったら読もうと思う。
それにしても、作家はステキな職業だと思う。死んでしまっても、作品はこの世に残る。作品を読めば、いつでも、どこでも、作家の魂に触れることができる。作品を書くことで魂を永遠にものにできるのだ。
僕もいつか小説を完成させたい。

倉橋由美子さんのご冥福をお祈りしています。